2010年06月12日
アルツハイマー病もフィトケミカルで予防

アルツハイマー病のリスクを低減する食品

・Archives of Neurology(2010; オンライン版)


みなさんこんにちは。

アルツハイマー病について興味深い論文が発表されましたので、ご紹介させていただきます。

この論文は、ロンビア大学医療センター(ニューヨーク)よりの発表です。

 

「サラダドレッシング,ナッツ類,魚,ニワトリやシチメンチョウなどの肉,果物やアブラナ科の

野菜が多く,高脂肪の乳製品,牛・豚などの肉,臓物,バターの少ない食事を摂取している人

アルツハイマー病(AD)を発症しにくい」

 

との研究結果が発表されました。


最近、さまざまな病気は食事と関係しているというのが常識になりつつあります。

 

しかし、毎日同じものを食べている人はいないので、こうした研究は本当に難しいんですよね。

このような地道な研究は本当に頭が下がります。


さて今回は、アルツハイマー病は食事が関係しているというお話をします。


Gu博士らは,ニューヨーク在住の認知症でない高齢者(65歳以上)2,148例を対象に調査しました。

研究に参加した人から食事に関する情報を収集し,認知症を発症しているか否かを1年半ごとに

評価し,平均4年間追跡しました。


その際,飽和脂肪酸,一価不飽和脂肪酸,ω3脂肪酸,ω6脂肪酸,ビタミンE,ビタミンB12,

葉酸といったアルツハイマー病リスクとの関連が明らかにされている7種類の栄養素の摂取量が

それぞれ異なる食事パターンを検討。


その結果,アルツハイマー病リスクの低減と有意に関連している食事パターンが認められました。


この食事パターンでは

サラダドレッシング,ナッツ類,魚,トマト,ニワトリやシチメンチョウの肉,

果物,アブラナ科の野菜や濃緑色の葉野菜が多く摂取され,高脂肪乳製品,赤身の肉,

臓物,バターの摂取量は少なかったことです。


同博士らは

・ビタミンB12と葉酸はホモシステイン関連ビタミンで,血中ホモシステイン濃度を低下させることでアルツハイマーに影響を及ぼす。

・ビタミンEは,強い抗酸化作用によりアルツハイマーを予防する。

・脂肪酸はアテローム動脈硬化と塞栓症,炎症による脳の発達や膜機能への影響,βアミロイドの蓄積を介して認知症・認知機能と

関連していると指摘しました。


こう考えると、ハーブでも同じような効果が得られるのではないかと思います。

ハーブは5大栄養素+ビタミン・ミネラルが豊富ですし、あらゆるハーブは抗酸化作用をもつ

フィトケミカルが入っています。

ですので、バランスのよい食事を毎日摂取するのは難しいかもしれませんが、

ハーブティーとしてであれば、誰でも実行できるのではないでしょうか?


ちなみにアルツハイマー病にエビデンスのあるハーブは「銀杏(いちょう)」です。

 

高齢化社会において、認知症は深刻な問題です。

私が臨床現場で問題だと感じるエピソードがあります。

子育てが終わりようやく自分の時間が持てたと思ったら,

両親が認知症で介護の日々が続く人がいるということです。

 

残念ながら認知症の特効薬はありません。

ですので、認知症を予防できるかどうかはまだ分かりませんが、

少なくとも何らかの努力はしていきたいですね。
 

今日の健康術

誰もが食事は大事だと知っていても、健康の要素は食事だけではないですから、

食事のほかに様々な要因があることも忘れてはいけません。

食事だけよければ病気にならないかというとそうではないのです。

●●はアルツハイマー病に有効という記事があっても、それだけしていてもだめなんです。

いいものをどんどん取り入れていきましょう!!

« 前の記事 | 次の記事 »