2010年5月
「他人支配」をやめる!!

『「他人支配」をやめると幸せになる』黒岩貴著 小学館

皆さんこんにちは。

今日は医療従事者もしくは健康に携わる人に是非読んでいただきたい本をご紹介したいと思います。

この本のキーワードは「他人支配」です。

医療従事者によく陥りがちな「他人支配」は時として患者を不幸にさせてしまう。
さらに自分自身も不幸になってしまうということです。

この本は医療従事者向けには書いていないのですが、今の自分の仕事ぶりに当てはめながら読み進めると大きなヒントが得られます

「他人支配」とは?

自分以外の誰か(他人)あるいは組織・グループに対して、
「ああしなさい、こうしなさい」、
「これはいけない、あれはやめなさい」などと、
言葉や行動でコントロール(支配)しようとすうことです。

心の中で思うだけでも、立派な「他人支配」です。

そうすると、私たちはついつい日常で「この人はこうするべきだ、こうあるべきだ」と考えてしまっていますよね?

特に医療従事者はこの傾向が強いのではないでしょうか?

「食事に気をつけろ、運動をしろ、たばこを吸うな」などなど、これも一種の「他人支配」ですね。

しかしこうした「他人支配」が行き過ぎると、双方が不幸になってしまいます。

ではどうしたら幸せになるか?
 

本書はこうした他人支配が不幸になる原理や対策が書かれています。


●「相手のため」は本当?

「他人支配」は思う側の身勝手な思い込みに過ぎないのです。

たとえそれが「正しいこと」、「相手のため」だと思えたとしても・・・・。
この結果生まれるのが人間関係のトラブルなのです。

あらゆる人間関係のトラブルには、一方あるいは双方の「他人支配」が存在します。

例を挙げると
親;「子供は遊んでばかりいないで勉強するべきだ」
子;「親は子供の自由を認めるべきで、勉強しろとうるさく言うべきではない」
どちらの意見も正しいのです。
でも視点が違うから、争うこと自体に多大な労力を使ってしまいます。

ここで考えてみてください。

いまから当たり前のことを言いますよ!!

相手が思い通りではないのは当たり前。
相手には相手の事情があり、人生があり、またその人なりの欲求もあります。
自分の欲求を叶えてくれるためにまわりの人が存在しているわけではない。

このことに気がつかずに、いつまでも求めているばかりでは、自分も相手も傷つくだけです。

よくありがちな例では

愛してほしいのに愛してくれない。
優しくしてほしいのに優しくしてくれない。
話を聞いてほしいのに聞いてくれない。

すべて、相手に求めることばかりです。

そして現実の相手がその通りではないため、そのギャップに苦しみ、相手を憎んだり遠ざけたりして、結果、孤独を感じてしまうのです。

自分から相手を理解しよう、何かしてあげよう、何か自分にできることを考えようという生き方に変えたときに、初めてみんなが幸せになるのです。

これを医療の現場に置き換えてみましょう。

「食事はこうしろ、運動はしろ、たばこを吸うな」
と当たり前のことを言ってもお互いに不幸になるだけです。

医師;「患者のためを思って言っている」
患者;「そんな当たり前のことを言われても、できないから病気になったんだよ」

お互いの言い分はもっともです。

こうした状況は日常茶飯事です。

こうした「他人支配」をしているうちは本当のいい治療は不可能なのではないでしょうか?

誰もが、食事や運動の大切さ、たばこの有害性は重々知っています。

なので、お互いに妥協できる範囲で話を進めていかなければなりません。

私の例で言いますと、医薬品を飲むほどではない場合、1日数杯のお茶と1階程度の階段であればエスカレーターを使わないなどを提案します。

患者も健康になりたいという同じ目的で受診しているので、話し合えばちゃんとできる人が多いのです。

この「他人支配」をやめた結果、めざましい効果をあげているのです。

現代医療は、「この薬を飲んで!!」という、一方的な対処療法になることが多いです。

しかし医療の本質には、

個々の人間ありきで、医療従事者が指導するという考え方ではなく、

平等かつできることから話し合うことが本当に重要です。

 

最後に、本書で大事なところを抜粋して終わります。

●人生は寛容になるためにある
人間の成長とは、どれだけ人に寛容になれるか、どれだけ人を許せるか、どれだけ人に優しくなれるかということに尽きます。人生はそのためにあります。
人生に起きるすべてののこと、すべての人間関係はそのためにあるのです。

●「べき」は捨てるべき。
「べき」を捨てる「べき」だというのも、結局は「他人支配」である。自分では「他人支配」はいけないとわかっているつもりでも、他人の「べき」が気になるようであれば、まだ、自分も完全には「べき」を手放せていないということ。

まず、相手を許す
次に、自分を許す
すると自信が持てます。

『「他人支配」をやめると幸せになる』黒岩貴著 小学館

2010年5月
梅雨時期のハーブ

こんにちは。

ここ最近の気候はというと、

雨が降ったり、寒かったりで、安定しないですよね。

こうした気候の変化が多いと、メンタル面も不安定になってきます。

 

ですので梅雨の時期は、何らかの対策が必要です。

すでに自分なりの対策法を知っていれば問題ないのですが、

もし何も考えていないのであれば、お茶療法(ハーブ)から始めてみるのも一つの手ですよ。

 

全国の薬局グループを運営する会社より取材があり、

「梅雨時のハーブ」

を連載しました。

興味ある方はご覧ください。

 

ゲンキとキレイ

http://www.genkitokirei.com/

2010年5月
紅茶でも糖尿病予防ができる!!

紅茶でも糖尿病予防が証明

・Archives of Internal Medicine 2009; 169: 2053-2063


みなさんこんにちは。

本日のお話は糖尿病予防に紅茶が有効であるお話です。

紅茶をふくむお茶療法は非常に優れているのは実証積みです。

緑茶が糖尿病予防になることは周知のとおりです。

 

周知ではない?

 

もし初めて聞いたのでしたら、大きなスーパーで飲料売り場を覗いてみてください。

緑茶飲料の中で「血糖の上昇を抑える」という文字が書かれている、トクホ飲料があると思います。

 

今回、ご紹介したい論文は、「コーヒー(レギュラー,カフェイン抜きを問わず)または

紅茶を多く飲む人ほど2型糖尿病の発症リスクは低いことが示唆された」というお話です。

この論文はシドニー大学ジョージ国際保健研究所のRachel Huxley准教授らが報告しました。

 

日本をはじめとする先進国では、糖尿病は他人事ではありません。

 

2025年までに2型糖尿病を発症する人は全世界でおよそ3億8,000万人に達すると見込まれています。

しかし、治療薬はどんどん新薬が出るにも関わらず予防薬は?

と聞かれるとないですよね。

自分で食事や運動に気をつけるしかないのです。


しかし!!


ダイエットと一緒で簡単にできるものではありません。

 


なので、私はお茶療法を勧めます。

お茶療法から始めて、それでもダメなら医薬品も併用すればいいのではないでしょうか?

 

なにもしないのとは雲泥の差が出ます。

これはハーブ外来や一般外来で実証できています。

 

この准教授は適切なコメントをしています。

「糖尿病に関する論文は相当数あるにもかかわらず,特定の食習慣やライフスタイル

といった要因がどのような役割を果たしているかは依然として不明である。」

本当に適切ですよね~。

だからこそ、現代医療と補完医療の融合が大事なのです。

 

本研究では、1966~2009年に発表された論文から,糖尿病リスクとコーヒー摂取についての

18研究(45万7,922例),カフェイン抜きコーヒー摂取についての6研究(22万5,516例),

紅茶摂取についての7研究(28万6,701例)を検討しています。

 

分析結果では,1日のコーヒー摂取量が1杯増えるごとに糖尿病のリスクは7%減少することが判明しました。

また,1日に0~2杯飲んだ者に比べ,1日に3~4杯飲んだ者ではリスクが約25%低下しています。

カフェイン抜きコーヒー摂取についても,全く飲まなかった者に比べ1日に3~4杯以上飲んだ者では

糖尿病リスクが約3分の1低かったのです。

さらに紅茶に関しても,全く飲まなかった者に比べ1日に3~4杯以上飲んだ者のリスクは約5分の1低かったのです。

 

以上のように素晴らしい報告がされました。

 

この論文では、理由はマグネシウムやリグナンおよびクロロゲン酸として知られる抗酸化薬などの化合物が

関係している可能性があると説明しています。

 

でも私はまだ解明できていないフィトケミカルの力だと思っています。

 

ですのでハーブティーであれば、すべてのものが糖尿病予防になるのではないかと考えています。

 

フィトケミカルの効果をもっと知ってもらえば、糖尿病に罹患しているか,

または将来発症するリスクのある何百万人もの人々にとって大きな意味を持つのです。

 

今日の健康術

病気予防は手軽にできるものでなくてはいけません。

そこで私が勧めるのは「お茶療法」です。

特に、コーヒーや紅茶でもいいのですが、お勧めするのは緑茶(粉茶)です。

緑茶に砂糖やミルクを入れる人はいないですし、日本人の体質には緑茶が合っているのです。 

ぜひ日常からお茶を取り入れる習慣を身につけてください。

2010年5月
うつ傾向になっていませんか?【5月病対策】

もう五月が終わろうとしていますが、まだまだ気分がすっきりしない人が多いのではないでしょうか?

軽い気分障害は梅雨前に解決しておきたいものです。

そこで、俗に言われる「5月病」に対してお話したいと思います。

 

ゴールデンウィークが明けると話題に上るのが『五月病』です。

はじめは大学生に見られた症状のことで、入学して慣れてきた頃に

現れるのが特徴だったため『五月病』といわれるようになりました。

しかし近年では大学生より社会人に多く症状が出るため『新五月病』

、『六月病』ともいわれるようになりました。

そして、その数は増えているようです。


※この『五月病』『六月病』という言葉は正式な病名ではなく、

医学的には『適応障害』『うつ病』と診断されます。


この五月病の主な原因とは?


考えられる原因は下記の通りです。

●生活のリズム、環境の変化に心身ともについていけない

●新しい人間環境をうまく作れない

●次の目標が見つけられず、無気力になったり焦燥感を感じたりする

●想像や希望と現実のギャップ

しかし、このような状況はどんな人にもあることです。

 

では、どのようなタイプの人が五月病になりやすいのでしょうか。


一般的には、『 神経質、几帳面、完璧主義、内気、真面目 』な人が要注意です!!

ただし、以上のような気質や性格は誰でも多少なり持っているものです。


よって『五月病』は誰でもなりうる可能性があるということです。

症状が軽い、重いの違いはありますが、気になる症状が現れてきたら

早めの対処が必要です。

重度のものでしたら、医療機関を受診すべきですが、軽いうつ傾向の人もたくさん存在します。

こうした病院へ行くほどでないが、何となく気分が優れない人のためにお勧めのセルフケアをご紹介致します。


●ハーブ

不眠の症状やストレス緩和にお勧めのハーブはジャーマンカモミールや
リンデンです。

また神経疲労にビタミンC補給は効果的と言われます。

そこでローズヒップ(ハイビスカスとブレンドするとよりよりGood)や
オレンジピールも取り入れることで疲労感が解消されることも。

また体も気持ちもリフレッシュさせてくれるペパーミントやレモングラスを
ベースに、自分の気になる症状やその日の気分でハーブを選んでみましょう。

五感を働かせてゆっくりと頂くことがさらにハーブの効果をアップさせる
ポイントです。

●アロマセラピー

オレンジやグレープフルーツ、ベルガモットなどの香りは、不安やストレスや
緊張をほぐし気持ちを明るくしてくれます。

また眠れない夜にはラベンダー、カモミール、イランイランなど気持ちを
落ち着かせるのに役立つ香りを上手に取り入れてみてはいかがですか?

朝や仕事の前などリフレッシュが必要な時には、ローズマリーやペパーミント
、ユーカリの香りを利用して気持ちをすっきりさせるのも良い方法です。


●ヨーガ

近年では健康や美容のために行う人が増えています。

ポーズをとりながら筋肉を緊張・リラックスさせることで心身のバランスを
とっていきます。

呼吸法や瞑想、ポーズをとる(体操をする)ことは自分の内側の変化を感じ取る
訓練でもあります。

自分自身と向き合い、理解・受け入れることで気持ちを入れ替えることができます。


●運動

軽い運動(軽めのジョギング、少し早めのウォーキング)や好きなスポーツを
することは、ストレスの発散に役立つと共に「目標を達成する」という達成感を
味わうことができます。
また適度な疲労感は、快適な睡眠をもたらします。

 

その他にもホメオパシーやカラーセラピー、フラワーレメディーなど様々な方法があります。

もちろん食事法も大事な要素のひとつです。

自分に合う方法を見つけ、上手に取り入れましょう。

最後に自分に合った方法を見つけるには、まず「自分を知る」ことが必要になります。

頑張らないといけない時もありますが、頑張った後は「自分の体と心」に聞いてみます。

何が必要かが分かってくると思います。

そして辛い時はひとりで頑張らず、周りの友人や家族に相談したり助けてもらうことも「五月病」にならないための大切な方法のひとつです。

2010年5月
大反響のセミナー

5月16日に、私が主催する融合医療研究会1日セミナーを行いました。

毎回、満員となるセミナーですが、今回も早々に席が埋まりました。

講師の先生は、その道の第一人者の先生をお呼びしているため、すぐに満席となるのは納得です。

たくさんのキャンセル待ちのかた、ごめんなさい。

 

実際の講演内容は予想通り密度が濃かった!!

というのは、空想論ではなく実践で築きあげた知識なので、速戦的なのです。

本で勉強することも大切だとは思いますが、超一流の先生の話を生で聞くのは、本で勉強するのと雲泥の違いです。

たとえ本と同じような話でも、雑談や脇道にそれたときに、重要なヒントが得られるからです。

私も僭越ながら著書を出しましたが、本に書けない話もたくさんあります。

ちょっと気を許したさいに、秘密情報を流してしまいます。

でも、こうした情報は実は重要なんですよねぇ~~.

 

さらに、今回の目玉企画!!

 

「パネルディスカッション」

 

これは非常にためになりました。

講師の先生が何を大事にしているかや、一流の先生の考え方ダイレクトに聞けるチャンスです。

司会である私自身も大変勉強になりました。

 

今後もディスカッションはたくさん取り入れていきたいと思っています。

 

林先生、池田先生は年内に本を出されます。

出版されましたら、特別セミナーを企画しています。

お楽しみに!!

 

補足

林先生は融合医療研究会の顧問ですので、セミナーをしていただいたり最先端情報をお伝えできると思います。

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