2009年11月
両親にビタミンDを勧めてみよう
今からでも遅くない30代からの健康術
昨日は住宅新報社の会議室で講演をしてきました。
企業研修をするといつも思うのですが、健康に興味がない人も大勢います。
そうした中で講演することは、自分にとって非常に勉強になります。
健康が当たり前と思っている人に、いかに「習慣」の大切さを感じていただけるか・・・。
健康も勉強や仕事と同じで、その習慣が人生そのものを変えることが可能なのです。
『病気が消える習慣』(経済界)入谷栄一著
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高齢者の転倒防止にはビタミンDが有効
■Ferrari et al. BMJ 2009;339:b3692
人間だれでも年をとります。
また年をとると言うことは、骨が脆くなり骨折しやすくなるものです。
骨折のきっかけに転倒が挙げられますが、今回ビタミンDが転倒防止に有効であるとの論文をご紹介します。
今までは骨を丈夫にするためにビタミンDが重要だと言われてきましたが、まさか転倒防止に効果があるとは夢にも思わなかったです。
今回の研究で1日700~1000IUのビタミンD補給で19%、活性化ビタミンD3で血中濃度60nmol/L以上を達成した場合、23%低下する結果が出ました。
転倒防止はバリアフリーにするなど、様々な要素がありますが、ビタミンDを食事から意識的に摂取するように両親にアドバイスしたいと思います。
ただ、ビタミンDが多く含まれる野菜って意外と少ないんですよね。
野菜や豆類、芋類などの食品群にはあまり含まれていないことが知られています。
しかし魚類にはビタミンDが含まれているので、適宜お魚も食べたいものです。
今日の健康術
ビタミンDは両親に勧めたい栄養素です。
しかし野菜類には多く含まれていないので、魚を取り入れた食生活を心がけましょう。
キクラゲには思いのほか、ビタミンDが豊富です。
2009年11月
現代療法の盲点を見つけたり!!
本日は、私が尊敬する帯津先生の著書『病気になってからの生き方』から、役立つ情報をお伝えします。
私は常日頃から、現代医療と補完医療を融合させることが大事だと訴えています。
それは、現代医療も補完医療も完全ではないからです。
現代医療の盲点は下記にあります!!
現代医療はどのようなプロセスで病気になるかという「HOW」の研究をしてきたが、なぜ病気になるかという「WHY」の追求はしてこなかった。
だからこそ原因不明の病気がたくさんあるのですね。
2009年11月
コーヒーは飲み過ぎても良い?
コーヒーの摂取は心不全発症と関係しない
■Ahmed HN ,et al . Am Heart J,158:667-672,2009
今回の論文はアメリカとスエーデンの共同研究による論文です。
以前、私はコーヒーを1日5杯以上飲む人は「要注意」と言っていました。
それはコーヒー摂取が心不全の発症増加と関係しているという論文が数多く出ていたからです。
心臓は私たちの意志とは関係なく、毎日何万回と拍動する「筋肉の塊」です。
そのため、酷使しすぎると、やかて心不全という形で心臓が破綻してしまいます。
その一つにコーヒーのカフェインがあります。
コーヒーに含まれるカフェインは心拍数(脈拍)を早めます。
そのため毎日たくさんコーヒーを飲むと心臓が疲れてしまうという学説でした。
しかし、今回反論論文が出ました!!
スエーデン人3万7315人を9年間追跡したデータです。
1日1杯でも5杯以上でも心不全のリスクは高くならなかったという結果です。
今回、私が強調したいことは、コーヒーが体にいいか悪いかと言うことではありません。
今ある常識は数年後には非常識になるということです。
体にいいといわれたものが数年後には悪いとよく言われます。
良いからといって、それだけにこだわるのは止めて下さいね。
あとから悪いと言われても、どうしようもないですので。
今日の健康術
最新医学はよく結論が変わることがあります。
最新医学も大事ですが、昔ながらのおばあちゃんの知恵も大事です。
2009年11月
ブロッコリーはやっぱりよかった
今からでも遅くない30代からの健康術
今月からセミナーが盛りだくさんです。
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ルテイン含量の高いブロッコリーの栽培
■ScienceDaily November 8, 2009
本日はブロッコリーの話をしようかと思います。
何年も前に、TVの健康番組でブロッコリーは王様野菜であると放送されていました。
具体的な成分までは解説していなかった気がしますが、ブロッコリーは体にいいものなんだぁ~と記憶にあります。
植物性カロチノイドは食餌の中で重要なビタミンA源であります。
トウモロコシや、ケール、ブロッコリー、ほうれん草などの葉野菜に含まれるカロチノイド、ルテイン、ゼアキサンチンは、人をがん、加齢性黄斑変性症、循環器疾患などの慢性疾患から守る能力のある価値ある抗酸化物質と考えられています。
最近アメリカでは、キャベツ科のなかでもブロッコリーがカロチノイド源として突出し多いと知られるようになったようです。
それでも、このポピュラーな緑色の野菜の中のカロチノイドの構造は最近までほとんど知られていませんでした。
サウスカロライナにある農務省農事試験場のMark W. Farnhamとテネシー大学植物研究サービスのDean A. Kopsellは共同して、屋内外栽培のブロッコリーに含まれるカロチノイド含有量を調べました。
その結果、栽培環境がカロチノイドにほとんど影響していなかったといっています。
今回、この論文を紹介したのは、ブロッコリーがいいと言うことでなく、ハウス栽培でもカロチノイドに影響がなかったと言うことです。
ハーブをはじめとする植物は土壌の善し悪しと環境により、栄養成分が大きく変わります。
当然、温室よりは厳しい環境で育ったもののほうがいいのは周知の通りです。
昨今、ビニール栽培と化学肥料により植物の成長は早く1年中野菜は食べられますが、ビタミンやフィトケミカル成分は少ないのが懸念されています。
健康のために野菜を多く摂るのであれば、ワンランク上の野菜摂取を目指してください。
今日の健康術
果物や野菜は土壌や環境により栄養価が大きく異なります。
一説には、土壌が悪い野菜には栄養がほとんどないというデータが出ています。
植物は日光に当たることにより、フィトケミカル成分やビタミンなどの栄養物を産出します。
ビニール栽培ではなく、厳しい環境を勝ち抜いた野菜を食べたいですね。
ポイントは四季にあった旬な野菜を心がけることです。
2009年11月
サプリメントを飲むと余計にがんになる?!
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抗酸化物質と乳ガン
■ New York Times June 8, 2009
ニューヨークタイムズからで衝撃的な内容の記事が掲載されました。
対象は乳ガン患者です。
多くの乳がん患者は「治療を妨げると知りつつ抗酸化サプリメントを使っている」と書いてありました。
医学誌Cancerの7月号に掲載された報告は、たくさんの乳がん患者が健康の改善を期待して、高用量のビタミンとミネラルのサプリメントを使う傾向に対し懸念を提起しています。
ある研究報告によると、ビタミンC、E、ベーターカロテン、セレニウムなどの抗酸化物質を過剰に使用すると、放射線療法や一部の化学療法の効果を妨げることが知られています。
理由は放射線治療や抗ガン剤治療法は活性酸素を発生させて腫瘍細胞をアタックするのが目的です。
つまり癌の原因といわれている酸化物質も、過度の抗酸化物質(ビタミンサプリメント)を摂りすぎると、がんを攻撃するのを阻害してしまいます。
いいと言われているものも、極端だとマイナスに変わるわけです。
続きがありまして、この調査では錠剤の形の抗酸化物質だけであったとのことでした。
つまりビタミンと抗酸化化合物を含む果物と野菜を多量に摂取してもがん患者のリスクを高めることはなく、むしろ有益であると報告されています。
サプリメントも薬と同じで、おいしいとこ取りをした結果、長期に飲んでしまうと過剰摂取となり害を及ぼす危険性があるということです。
私は基本的に長期でのサプリメント製剤の摂取は賛成しません。
サプリメントが効いたということは、それだけ日常生活での乱れが生じているとの裏返しなので、サプリメントを飲んでいる間に生活習慣を改善すればいいのです。
そういった意味で、自分は頭からサプリメントは反対派ではなく、上手く使えば強力な武器になると考えています。
今日の健康術
乳ガン患者で、強力な抗酸化作用があるサプリメントは止めた方がよい。
これはがん患者に限ったことでなく、われわれ健常人ににも当てはまります。
サプリメントは長期で飲むものではなく、短期で飲むことをおすすめします。