2010年8月
野菜を食べて喘息のリスクを低下させよう

果物,野菜,魚の摂取で小児喘息のリスクが低下

みなさんこんにちは。

今回の記事は

果物,野菜,魚の摂取は小児喘息のリスク低下と関係する記事をご紹介します。

この研究は欧州を中心とする国際共同研究グループがThoraxの6月号に発表しました。

多くの方がご存じだと思いますが、喘息やアレルギー疾患は30年前と比べると、
どんどん増えており、放っておくことができない問題にまでなっています。

特に日本をはじめとする先進国では大きな問題の一つです。

今回の論文のように、食事の影響は大きいと思っています.

スナック菓子や精製類などはたびたび喘息のリスク要因の一つに挙げられています。

この論文では、原因の一つに食事との関係性を指摘しています。

本研究では1995〜2000年に20か国の29施設で小児の喘息とアレルギーに関する国際研究を実施。

8〜12歳の小児5万4例を対象に,食事と喘息およびアレルギーとの関係を検討しています。

その結果,高所得国では魚の摂取,低所得国では調理ずみ緑色野菜の摂取が,喘鳴の有病率低下と関係していました。

全体として果物,野菜,魚の頻回な摂取は喘息の有病率を下げ,ハンバーガーの高摂取は喘息の有病率を高めていたとの結論です。

印象として当たり前の結果が出たと思うのですが、イメージだけでなく医学的解析によるデータは信憑性が増しますよね。

ぜひこれからは、野菜(レインボーフーズ)も取り入れてみてください。


さてこの論文から、考えていただきたいのは「ハンバーガー」が悪いということではないですよ。

肉類も非常に大事です。

肉や魚や野菜、果物など満遍なく摂取し続けることが重要であることは言うまでもありません。
 

編集後記

8月29日に日経BP社でセミナーを行ってきました。

BP①.jpg

日経ヘルス様のプロジェクトの一環です。

今回は「巡る体質改善プロジェクト」というテーマをいただきました。

講演内容は

①真の健康について・・・現代医療を中心に行うも、自分に合ったセルフケアを早く見つけるなど

②補完代替医療に基礎知識・・・自分に合った補完代替医療を見つけるコツ

③セルフケアとしてのハーブの使い方・・・だれでも手軽に継続できる「お茶療法」について

④呼吸器専門医が教える、「呼吸法」と「リフレクソロジー」のワーク
  (今回は市野式リフレクソロジーをご紹介)

を行いました。

BP②.jpg  BP③.jpg

 

今回、ワークとハーブを使ったセルフケアでどこまで体が巡れるかを評価します。

評価期間は14日間です。結果が楽しみです。

と言いましても、私の着眼点は、結果が良いか悪いかではありません。

もともと予防医学は「何もないところに何もなく過ごせるか」ということが理想ですから、

医療行為と違って、治った治らないがメインではないのです

呼吸法やリフレのワークやお茶を飲むことが、苦にならずに続けられたかの結果が気になります。

そこにお通じがよくなったや眠りが深くなったなどの、二次的な効果がでていればより興味深いですが・・。


体にいいことは毎日継続しなければなりません。

食事はその土台となるものですが、忙しい現代社会では食事療法を続けることは困難です。

そこで食事指導の一環として「ハーブティー」を取り入れてみていただければと思います。

どくだみ茶、麦茶などの健康茶を飲むことは難しいことではないからです。


また、お茶でなくともいいのですが、日常的に自分に合った健康法をぜひ見つけて欲しいです。

 

最後に、今回お世話になった編集部の皆様との集合写真です。

BP④.jpg

 

 

 

 

2010年8月
夏バテは医学用語ではありません。

みなさんこんにちは。

連日の暑さで、体調を崩している人が多いのではないでしょうか?

本日は「夏バテ」について書きたいと思います。

今回の記事は「融合医療研究会ニュース」より改変しています。

融合医療研究会ニュースは絶対に知って得する補完代替医療情報を月に1回程度、配信している無料のメルマガです。

興味がある方はぜひ登録してみてくださいね。
http://www.you-go.jp/mailnews/


さて、今年は世界的にみても異常な高温の夏です。

このような気温の中で生活をしていると注意しなければならないのが「熱中症」「夏バテ」といった症状です。

外来をしていると「夏バテ」の人が沢山おみえになっています。

ちなみに「夏バテ」は医学用語ではありません

では夏バテとはいったい?

「食欲がない」「体がだるい」など胃腸などの身体的な部分や、疲労など精神的な部分にでる慢性的な症状をいいます。

その主な原因は

①自律神経の乱れ

人の体は汗をかいたりして体温を調節しています。

これは自律神経の働き(ホメオスターシス)によるものですが、外気と室内の温度差が激しいと自律神経の働きが崩れ不調を起こしてしまいます。

そして徐々に上手く熱を放出できなくなり、ひどい時には「めまい」や「頭痛」「立ちくらみ」などを引き起こします。

②水分不足

体は体温を調整するために汗をかいて熱を発散させます。

夏の暑い時期は軽く動くだけでも2ℓ以上の水分が失われるといいます。

その際に水分だけではなく、体に必要なビタミンや塩分などのミネラルも一緒に失われてしまいます。

水分が失われると「脱水症状」や「むくみ」などの原因にもなります。

③食欲不振

暑いと冷たいもので水分を補給してしまいがちになり胃腸を冷やして胃液を薄めてしまいます。

すると消化吸収の働きが弱まってしまい、食欲がなくなる為また冷たいものなどしか摂取しない、更に体力が落ちるという悪循環が起きてしまいます。


そこで「夏バテ」対策には「ハーブティー」をお勧めします。

こまめに水分を補給することが大事ですが、何を摂取するかということも大切なことです。

もちろん塩分やミネラルを補給することは重要です。

私がお勧めするのは「海藻味噌汁」です!!

そして冷たいものばかりではなく、温かいものを摂るように心掛けます。

できれば氷水や糖分の入った清涼飲料水は避けたいところです。

そこでお勧めなのが、ハーブティーです。

ハイビスカスとローズヒップの組み合わせは夏の水分補給に役に立ちます。

ハイビスカスにはクエン酸が含まれています。

クエン酸は疲労物質といわれる乳酸をエネルギーに変えてくれる働きをします。

よって疲労回復を促進することになります。

そしてローズヒップはビタミンCを豊富に含みます。

ビタミンCは疲労回復はもちろん、ストレス緩和や病気に対する抵抗力をつける働きをします。

さらにハイビスカス、ローズヒップともに利尿作用があるので「むくみ」を改善してくれますよ。

このブレンドは女性には受けはいいのですが、男性には苦手という人が多いかもしれません。

その場合は、ペパーミント(2割)+ネトル(4割)+日本茶(4割)もお勧めです。

 

8月22日の融合医療研究会のお知らせ。

おかげさまで、先週で定員に達しました。

レジュメが届いているのですが、かなり実践的な内容で密度が濃すぎます。

講師の先生はその道ではカリスマ的な存在です。

既にお申し込みをされている方は期待していてください。

毎回、2名ほどキャンセルが出ます。

もし今週に申し込みをしようと思っている人がいましたら、だめもとでキャンセル待ちをお申込みください。

info@you-go.jp

宛てに件名も「キャンセル待ち」とお書きの上、連絡先をお書きください。

その際に、「入谷のブログより」と一筆書いていただけると幸いです。


 

2010年8月
ブロッコリーで乳がん予防!!

ブロッコリーが乳がんの幹細胞を抑制

・Clinical Cancer Research2010; 16: p2580-2590


本日のお話しはブロッコリーに含まれるフィトケミカルが乳がんの予防や治療に役立つ可能性があるという論文をご紹介したいと思います。

乳がんは米国では2010年の1年間に19万4,280人が乳がんの診断を受け,4万610人が死亡すると予測されてい放っておけない病気です。

日本においても増加傾向にあります。
 

今回、ミシガン大学のDuxin Sun准教授らがブロッコリーに含まれる物質がガン細胞を抑制したという報告を出しました。
 

この研究ではブロッコリーとブロッコリーの芽に含まれる「スルフォラファン」の作用を検討しています。

乳がんのマウスにブロッコリー抽出物から得られた「スルフォラファン」を注入し,

その後に腫瘍のがん幹細胞数(がんの元となる細胞)をみました。

その結果,スルフォラファン投与後にがん幹細胞は大幅に減少したが,

正常な細胞にはほとんど,または全く影響がなかった結果を出しました。

野菜には抗酸化作用があるからがんになりにくいと一般的に言われておりますが、

こうした特定された物質が見つかるとより信憑性がわきますよね。

またどんな野菜も数百種類のフィトケミカルを有していますので、ブロッコリーに限らず、

今後もいろいろな野菜でがんに有効だという報告があるのではないでしょうか?

ただ注意してもらいたいのは、この実験はラットでのデータであること、

ヒトでの臨床試験はまだ行われていないことでまだ研究の余地があると思います。

 

野菜は様々なフィトケミカルが組み合わさって、副作用を軽減させたり、

相乗効果にて効果を発現させたりしております。

 

今日の健康術

科学的実証がされてない現在は,

ブロッコリーも「レインボーフーズ」の中の1つとして、

満遍なく取り入れてみることをお勧めします。
 
 

 

編集後記

昨日、サントリーホールにてクラシックコンサートに行ってきました。

サントリーホールと言ったら六本木や赤坂近辺にある超一流のコンサートホールです。

曲は
ショパン:バラード第1番 ト短調 op.23 
リスト:愛の夢第3番 変イ長調 
シェーンベルク:ミュージカル『レ・ミゼラブル』から「夢やぶれて」 
ラヴランド: You Raise Me Up 
ハチャトゥリアン:組曲『仮面舞踊会』から「ワルツ」 
ラフマニノフ:前奏曲 嬰ハ短調 op.3-2 「鐘」 
ラヴェル:ボレロ 
モーツァルト:レクイエム ニ短調 K626 (抜粋) 
ビゼー:オペラ『カルメン』前奏曲 
モンティ:チャルダッシュ 

という誰もが1度は聞いたことがあるものではないでしょうか?

クラシックは大好きなのですが、とくに「ボレロ」はTOP3に入るくらい大好きです。

単調ながらも繊細さ正確さを有するところと、ソロが多くわずかな個性が出るところや

トリのところでドラをたたくために最初からずっと集中している人がいるのですが、これは感動的です。

最後の締めで作品が大きく変わってしまうくらい重要な楽器ですが、出番はわずか数秒!!

しかしミスは許されない。

医療現場でも同じことが言えますね。