2011年6月
大医を目指せるか?
こんばんは。
今日は中国の古い諺を元にブログを書きたいと思います。
「小医は身体を医し、中医は人を医し、大医は国と社会を医す」
という諺があります。
研修医の頃は身体を医す事を考えていました。
しかし在宅診療(往診)を初めて9年近く経ちますが、在宅診療をしていると人を医す様な考え方が芽生えてきました。
最近では補完代替医療を学ぶようになり、社会を医したいと考える様になりました。
社会を医したいなどたいそうな事を言ってしまったのですが、
具体的には、昨今、いろいろな健康情報が入り乱れ、何が本当に正しい情報なのか分からなくなって途方に暮れる人を何とかしたいと考えています。
途方に暮れる人はまだいいのですが、気付かずに破滅の道を進んでいるひとも少なからず周りにはいます。
健康ベストセラー本はある程度目を通していますが、正論を述べた後に根拠のない結論を出していたりします。
また、健康食品の広告などは、あたかも薬を連想する様なものであったり、
手を変え品を変えてダイエット本が売り上げ上位を占めているのも、やや疑問に思ったりもします。
果たしてこのままでいいのか?
私の意見は、「健康に王道はない」と思っています。
メリットもあればデメリットもあるはずです。
メリットばかりに目を向け、デメリットは気にしない。
これだけはやめてくださいね。
編集後記
読売新聞の取材をうけ、インタビューが掲載されました。
2011年6月
リンゴダイエット!?
「毎日一個のリンゴ」の科学的裏づけ
・ScienceDaily May 3, 2011
本日の記事は「リンゴ」について書きたいと思います。
リンゴと聞くと、ダイエット連想する人がいるかもしれません。
理由としてオリンピック周期で「リンゴ関連ダイエット」が話題になるからです。
リンゴは体に良くダイエット中の食べ物としては優れていると思いますが、
リンゴを食べただけのダイエットは健康的に痩せることはないと思います。
ダイエットに秘策はありません。
↑
もしあれば世に出ているはずです。
「●●ダイエット」には注意してくださいね。
20世紀から今日に至るまで、先進国だけでも何万種類ものダイエット方が提案されていますが、未だかつて絶対に痩せる方法は確立されていませんよ~~~。
しかし最近の研究でリンゴは繊維の効果だけではなく多くの利点がある事が分かりました。
フロリダ州立大食品科学・栄養学・運動学部 のDr. Bahram H. Arjmandi、Margaret A. Sittonらによれば、リンゴに含まれるリンゴペクチンとポリフェノールが脂質代謝を改善する事を証明しました。
この研究では無作為に選んだ45-65才の女性160人を二つの食事介入グループに分け、一方には乾燥リンゴを毎日1個 (75g/day) 、もう片方には乾燥プルーンを毎日1個1年間与え、3、6、12ヶ月目に血液検査をしています。
リンゴグループでは6ヶ月目に顕著な違いが現れ、LDLコレステロールが23%減少する驚くべき結果をだしました。
さらに、乾燥リンゴで1日240カロリー摂取しながら体重は増えず、逆に平均1.5キロ減量するという付加的な効果があったそうです。
体重減量の原因の一つは、満腹感を与えるとして知られるリンゴに含まれるペクチンによるものと考えられそうです。
ただし、今後も研究は必要だと述べて終わっています。
私もダイエットには関心があります。
というのは
生活習慣病には肥満が関係しており、肥満をなくす事が医学の歴史を変えると言っても過言ではないと感じています。
今日の健康術
100人いれば100通りのダイエット方があると思いますが、
自分に合ったダイエット法の見つけ方ガイドラインがでるといいですね。
現時点では、
①完璧なダイエット方はない
②興味をそそるような宣伝文句に惑わされない
ということを肝に命じることだけですね。