2010年05月09日
植物繊維は大腸だけでなく肺にもよかった

植物繊維は肺気腫予防に効果的

■Varraso R, et al. Am J Epidemiol 2010; 171: 776-784.

こんにちは。

本日は食物繊維についての話です。

食物繊維は便通がよくなり、大腸癌予防に効果的と言うことは周知の通りです。

しかし肺にもいいということが分かりました。

この研究は米ハーバード大学のグループより発表されました。

タバコや汚い空気を長年吸うと肺によくないと言うことは想像するまでもないですよね。

こうした汚い空気を吸っていると、いったいどうなるか?


肺が真っ黒になり、肺がんのリスクが高まります。

ほかに「肺気腫(COPD))」という病気になります。

肺気腫の症状は階段の上り下りや軽い運動で呼吸が苦しくなったり、

常に痰が絡んだ状態になり、日常生活に支障を来すことがあります。

町中で酸素を持って歩いている人の多くが、この肺気腫である可能性が高いです。


今回、繊維の多い食物,特に穀物類を加工したシリアルに含まれる繊維の摂取が

肺気腫の発症リスクを低下させる可能性があると発表されました。

この研究では11万1,580例もの人間を対象にしています。

方法は、食物繊維全体と特定の繊維源(シリアル,果物,野菜)の累積平均摂取量を算出して

性別,年齢,喫煙習慣,エネルギー摂取,BMI,地域,受診歴,身体活動,糖尿病,

ω-3脂肪酸と加工肉の摂取を解析しています。


結果は食物繊維の総摂取量は肺気腫の発症リスクと関係していました。


呼吸器専門医の立場からは、この論文は非常に興味深いです。
 

食物繊維は野菜から効率よく摂取できます。

 

私はプリメントから摂取するのではなく、日常の食事から摂取するようにお伝えします。

それはなぜかというと、植物ですと栄養素だけでなく、体のバランスを整えるフィトケミカル

が摂取できるからです。
 

今日の健康術

植物繊維の多い食事を意識的に増やしてみましょう。

たばこを吸う人はもちろんのこと、都会に住んでいる人も同様です。

なるべくサプリメントではなく野菜で摂ることをお勧めします。

海外では、ゴボウのハーブが人気です。

ゴボウも歴としたハーブで、海外では「バードック」と言われています。

 

★お知らせ★

5月16日(日)に東京国際フォーラムで融合医療研究会を行います。

入谷もパネルディスカッションに参加をさせていただきます。

毎回、満席となるセミナーですが、のこり2席のようです。

今回の講師陣はすごいです。

メディカルハーブ協会副理事長の林真一郎先生

梅沢富美男さんの奥様で鳩山家と深い交流をもつ、フィトセラピーの池田明子先生

ホメオパシーのカリスマ、中村裕恵先生

どの先生も単独でも講演は満席になってしまうのですが、

今回は1日で聞けるというあり得ない勉強会です。

詳細は

http://www.you-go.jp/seminar/

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