2010年05月04日
プロの料理人・調理師は特にがんリスクが高い!?
ステーキはガスより電気で焼いた方がよい
■Kristin Svendsen,et.al Occupational and Environmental Medicine 2010; 67: 228-232
おはようございます。
本日ご紹介したい記事はステーキの焼き方についてです。
といってもレア、ミディアム、ウエルダンといった焼き方のことではなく、ガスと電気ではどちらが体にいいのか?という興味深い論文です。
今回、ノルウェー科学技術大学(ノルウェー・トロンハイム)衛生環境安全学科・産業経済技術経営部門の准教授らが報告した論文からです。
結論は「ガスコンロで肉を焼くときに発生する煙は,電気コンロを使用したときよりも有害である」との事です。
つまり、プロの料理人・調理師は特にがんリスクが高い可能性があると指摘しています。
現在までの研究では、高温で肉を焼くときに生じる煙を“ヒトに対し発がん性を示す可能性がある”と言われていました。
その根拠は、大豆油,菜種油などの植物油およびラードを用いる際に発生する煙からは,微粒子や超微粒子と相まって,有害な多環芳香族炭化水素(PAH),複素環アミン,変異原性を有する高級アルデヒドが検出されているからです。
この超微粒子は,速やかに肺に吸収されることが知られています。
今回の実験では、典型的な西洋レストランの厨房を想定し,400gのステーキ用牛肉17枚をフライパンで15分間加熱調理する試験を行いました。
方法はマーガリンまたは2種類の大豆油のいずれかを用い,ガスコンロまたは電気コンロでステーキ肉を調理しています。
そこで料理人が呼吸すると思われるあたりで,空気中に含まれるPAH,アルデヒド,総微粒子物質の量を測定しました。
結果,電気コンロでなくガスコンロで加熱調理したときのほうが,超微粒子の発生量(最高値)は高かった結果が得られました。
この結論から、ガスより電気で焼いた方がよい、プロの料理人・調理師は特にがんリスクが高いという事に至ったのですが、実際の所は鵜呑みにしていいか疑問が残ります。
個人的な意見では、ガスで焼いた方が美味しいし、なかなか電気で調理する機会もないと思います。
さらに実際にプロの料理人の平均寿命が短いかというとそんなこともないと思います。
そこで考えられることは、プロの料理人はこれら有害物質もとる代わりに、フィトケミカルも摂ることで相殺しているのかもしれません。
一流料理人は野菜へのこだわりも半端じゃありません。
ただ単に美味しいということだけでなく、お客様や自分自身の体のことも考えて調理するからこそプロだと思います。
今日の健康術
子供の頃、「お肉を食べたら、野菜もとれ」とよく言われたものです。
肉が悪いのではなくて、バランスの崩れが悪いからだと、最近よく分かりました。
私は野菜ばかり食べている人は健康だとは思いません。
肉と野菜、魚などバランスなのです。
野菜の効率の良い摂り方に、「レインボーフーズ」を提唱しています
★お知らせ★
5月16日(日)に東京国際フォーラムで融合医療研究会を行います。
入谷もパネルディスカッションに参加をさせていただきます。
毎回、満席となるセミナーですが、のこり5席のようです。
今回の講師陣はすごいです。
メディカルハーブ協会副理事長の林真一郎先生
梅沢富美男さんの奥様で鳩山家と深い交流をもつ、フィトセラピーの池田明子先生
ホメオパシーのカリスマ、中村裕恵先生
どの先生も単独でも講演は満席になってしまうのですが、
今回は1日で聞けるというあり得ない勉強会です。
詳細は
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