2009年10月01日
小児期の引っ越しは自殺のリスクになる

今からでも遅くない30代からの健康術

著書『病気が消える習慣』が全国書店で発売となりました。

インフルエンザもそうですが、病気になったときに、軽くすむ人と重篤化する人がいます。

その違いは【免疫力】にあるのは周知の通りです。

しかし、どのようにしたら効率よく免疫力が高められるかを知っている人は、限られています。

本書では、免疫力を上げるための方法、トップ10をはじめ、ハーブの観点からアプローチしている入門書です。

すでに知っている人は、おさらいになると思いますし、知らない人は絶対に知っていて欲しい事項が書かれています。

いろいろな方から、「自分だけでなく、母親や友達にプレゼントして、すごく喜ばれた」と感謝のメールをいただきました。著者としては本当に嬉しいです。
ありがとうございます。


 病気が消える.jpg

『病気が消える習慣』(経済界)入谷栄一著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4766710754/ymhj-22 

では、早速参りましょう!

転居は小児のトラウマに

■Archives of General Psychiatry ;66 :628-632,2009

オークス大学(デンマーク)からの論文です。

転居の多いデンマークの小児では11歳~17歳で自殺を企図または完遂するリスクが増大している可能性があるという論文がでました。

この論文では1978年~95年に生まれた全小児のうち11歳~17歳の間に4160人が自殺をしようとし、79人が死亡したと書いてあります。

この自殺を企てた人の内訳として、3回転居した群は55.2%であり、転居がない群の32%に比べて有意に高かったのです。

さらに10回以上、引っ越しをしている場合は7.4%であり、対照群が1.9%であるので、非常にリスクが高いといえます。

この論文の結論は「小児が住居を変える回数が増えるほど自殺を企てる傾向にある」というものでした。

私は、転校の経験はなく、転校がどのくらい精神的に負担がかかるかは推測でしかないのですが、相当、ストレスがかかるのではないかと思います。

30歳を超えた私でも、転勤はかなりのストレスですので、一番感受性の強い時期にこうした行為は、何らかの心理的影響があるのでしょう。

しかし、この論文を鵜呑みにしてはいけません。

もし、この論文を読んで、転校がいけないと判断し、両親が離ればなれになったとします。

そうした場合、一家全員で暮らすのと、片親だけで暮らすのの、自殺の影響も調べなくてはいけません。

もしかしたら、単身赴任の子供の方が、自殺しようと思うリスクが高いのかもしれませんね。

 

今日の健康術

衝撃的な論文を鵜呑みにせず、裏があると言うことも考える必要があります。

特に会社勤めでは、転勤を断れば会社をリストラされるかもしれません。

経済的不安定は、心理的影響に深く及ぼすことがわかっています。

物事を多方面から分析する、冷静な判断を身につけましょう。

« 前の記事 | 次の記事 »