2009年5月
「少食」はそんなに体にいいわけではない!?

少食の有用性は肥満の人だけ?

Rajindar S. Sohal et.al,J.of Nutrition 139 : 533-539,2009

こんにちは。
入谷栄一です。

本題に入る前に5月24日(日)に、東京国際フォーラムでセミナーを行います。
午前中は、あの藤井さん率いる「起業家フォーラム」の立ち上げメンバーである、松原氏がセルフブランディングや成功している人の人脈術をお話しします。
午後は自然医療の話題ですが、入谷もハーブの話しをさせていただきます。
健康に気を遣っている人には必見です。
興味がありましたらぜひご参加下さい。
 

本日はアンチエイジングについてお話ししたいと思います。

この論文は、マウス実験の結果ですので、人間には当てはまらないかもしれませんが、興味深い結果が出ています。

今までは、「腹八分目」は非常に良いと言われてきました。

自分は今でもそう思っていますが、確固たるエビデンスがないんですよね。

先輩ドクターや本でそう書いてあって、実際にデータをとったわけではないし、情報が確かだという論文も読んでいないわけです。

今回の論文では、「カロリー制限が普遍的に有用と言われているが、寿命を延ばす効果があるのは肥満の人に限られる」というものでした。

確かにすごくやせている人、もしくは健康的な人にはカロリー制限は不必要であります。

さらに強度の運動している人が少食したら、身体をこわしてしまいますよね。

餓死なんて言葉は最近は全く聞かなくなったように、日本人の多くはむしろ摂取カロリーオーバーです。
なので少食がいいと思われているのですね。

いつも思うのですが、美容のために無理してご飯を控えるのはいかがなものでしょうか?

必要なビタミンを摂取できずに痩せたはいいけど、実年齢より高くみられたり、疲れた顔になっていたり、若返りたい、美しくいたいという思惑に反して、逆効果になりかねません。

長い歴史において完璧なダイエット方法なんて今もないんですよね。

ダイエット方法で発展したのは、「広告」だけだと思います。
この広告は、年々進化しており、今回だけは効きそうと思ってしまうのですよね。

30代からの健康術

楽してダイエットは有り得ません。
いいと思ったダイエット法でも、高額ならば一度冷静に考えてみてください。
ただ標準体重よりも明らかにオーバーしている人は、少食は利益が大きいです。
腹八分目を目指しましょう。

2009年5月
長時間の電子メディアとの接触が若者のうつ症状に関連

長時間の電子メディアとの接触が若者のうつ症状に関連

ペンシルバニア州ピッツバーグ
Brian A. Primack at.al:Archives of General Psychiatry;66:181-188,2009
 
おはようございます。
入谷栄一です。
 
本題に入る前に5月24日(日)に、東京国際フォーラムでセミナーを行います。
午前中は、あの「起業家フォーラム」立ち上げメンバーである、松原氏がセルフブランディングや成功している人の人脈術をお話しします。
午後は自然医療の話題ですが、入谷もハーブの話しをさせていただきます。
午前は起業家むけ、午後は健康のセルフケア対策のセミナーです。
興味がありましたらぜひご参加下さい。
http://www.you-go.jp/
 
 
さて本日の話題ですが、テレビやパソコンを若いときにやり過ぎるとうつになりやすいという話題です。
 
自分もファミコン世代なので、どきっとします。
パソコンゲームはもう3年近くしていないですが、止めたきっかけが、4時間毎日ゲームをしていて、5日目で「うつ」になりました。体も怠くなり、結構ダメージが大きかったのを覚えています。
 
この論文では
「10代でTVやラジオ、コンピューターゲームなど電子メディアに接触している時間が長いと、特に男性では青年期におけるうつ症状の発現頻度が高まる」と述べています。
 
長時間とは1日平均8.5時間と書いています。
この論文は4142人を対象に7年追跡調査を行っています。
 
原因は
①電子メディアに時間を費やすことで、うつに対する防御になりうる社会的活動、知的活動、身体活動の時間が減る
 
②メディアから流れるメッセージは攻撃性や危険な行動を誘発し、アイデンティティの発達を阻害し、恐怖や不安を契機する
 
③夜間のメディア接触によって、正常な認知活動と情緒的な発達において重要な睡眠が傷害される
 
が挙げられます。
自分は③が的中しました。
 
睡眠は本当に大事なんですよね。
 
自分は睡眠時無呼吸症候群(SAS)を治療しています。
この病気は寝ているときに呼吸が止まってしまい熟睡出来ません。
そのために、生活習慣病を促進したりします。
 
昨日、カフェインの話しをしましたが、寝る前のカフェインも熟睡感は得られません。
お酒も同様です。
 
睡眠について、一度本気で考えて直してみてはどうでしょうか?

30代からの健康術

  • 睡眠について真剣に考えてみよう。
あなたの睡眠時間は適切ですか?
寝る前にお酒やカフェインを飲んではいませんか?
寝具は合っていますか?
人生の1/3はベットで過ごします。
睡眠は大事にして下さい。

2009年5月
カフェインには運動による筋肉痛を軽減する効果

カフェインには運動による筋肉痛を軽減する効果

Gliottoni RC ,et al. int J Sport Nutr Exer Metab 2009; 19(2),April

おはようございます。
入谷栄一です。

本日はカフェインについての論文について書きたいと思います。

この論文はアメリカイリノイ大学から発表された論文です。

25才の男性25人を対象に、強度の高い運動による大腿四頭筋の筋肉痛に対するカフェインの効果を調べています。

結果は明らかに被疑薬(ブラセボ)に比べて、カフェインを摂取した群は少量でも筋肉痛の軽減を認めていました。

カフェインは摂取しすぎると、胃潰瘍や精神状態のバランスが崩れますが、適度な摂取であれば仕事効率や集中力アップに役立ちます。

30代からは、必要カロリー以上に摂取カロリーが増えてきます。

その結果、男性ではお腹が出てきたりします。

なので適度な運動が大事となりますが、普段運動しない人はいきなり過度の運動から始めて、3日坊主で終わってしまうことが多いと思います。

自分はできない運動は勧めません。

しかし、子供の運動会など、必要に迫られるときがあると思います。

その場合、翌日の筋肉痛は必須ですので、カフェインを多くとるといいですね。

 

本日の30代からの健康術!!

続けられそうもない運動は絶対にしない。

続かなければ、ストレスがたまるだけであるから。

しかし、レジャーなどで運動した際には、次の日の仕事に支障をきたさないために、カフェインを多く摂取しましょう!!

2009年5月
鍼治療の鎮痛効果は低い

鍼治療の鎮痛効果は低い

デンマーク・コペンハーゲン
Matias Vested Madsen at al. BMJ 338:a3115:2009
 
おはようございます。
入谷栄一です。
 
本日は補完医療の大きなウエイトを占める「鍼」について考えてみたいと思います。
 
デンマークから衝撃的な論文が出ました。
 
具体的な内容は約3000人の患者を対象に試験しています。
疼痛の種類は変形性膝関節炎、偏頭痛、腰痛、術後痛などです。
これらの群を
①実際に鍼を施行した群
②偽の鍼を施行した群
③鍼を使用しなかった群
で振り分けています。
 
ここで有意差が出なかったため、「鍼治療の鎮痛効果は低い」という結論になりました。
 
しかし自分はこの論文に疑問を感じています。
もちろん結果は事実なので、データ上では確かに有意差はないのは事実です。
 
しかし、実際に自分が診療をしていて間近で効いている人が本当に多いです。
 
当然、筆者も効いている人がたくさんいるという事実があるから、科学的なデータをとってみようと試みたのではないかと思います。
 
しかし数値では、なぜ効果が出なかったのでしょうか?
 
いつも自分が思うことですが、人間の体は「数値では計れない」ということです。
 
医学学会において、年間数万を超える論文が発表されています。
全ていい結果が出ています。
にもかかわらず、本当に臨床に役立つ論文はごく僅かです。
(もしこれらの論文が優れていたら、世界寿命はもっと延びていると思います)
 
このことより、「鍼」が効かないという論文が1編でたからと言って、うのみにしてはいけません。
効いているという論文の方が遙かに多いです。
 
なので、この論文の使い方としては、鍼治療に疑問を思っている人がいるようであれば、止めるきっかけになるという程度でいいのではないでしょうか。
 
人間は衝撃的なうたい文句に、今までの経緯は忘れて信じてしまう傾向にあります。
草彅さんの逮捕も、今までの彼の功績が無かったかのように叩かれました。
しかし、酔っぱらってしまうことは日常でよくあることです。
罪は罪ですが、今までの彼の功績を忘れてはいけません。
 
鍼も同じことが言えると思います。
 
効いている人が多くいるのは事実ですので、自分がいいと思ったら続けてください。
 

本日の30代からの健康術

  • 衝撃的な論文に惑わされるな!!

2009年5月
がん生存者で高い失業率

がん生存者では高い失業率

Boer et.al JAMA 301:753-762,2009

 
おはようございます。
入谷栄一です。
 
本日はがんと就職についてのお話しです。
この論文はアメリカで発表された内容ですが、今後日本でも同じようなことが言えると思いブログに書きたいと思います。
 
がん患者生存者の失業率は健康人の1.37倍
 
上記の数字をみてどう思いますか?
多いと思う人もいれば、少ないと思う人もいると思います。
自分的にはこの数字だけをみると少ないと思いますが、実際にはもっと多いと思うし、今後は増える傾向にあるのではないでしょうか?
 
再雇用をされない理由として
①仕事上の差別
②治療のためフルタイムの就業が出来ない
③身体的あるいは精神的限界を有している
④がん関連の症状がある
などを挙げています。
 
がん治療には莫大な費用がかかります。
医療出費が多いのに収入が無いため、家計が大変となるのは必至です。
特に若い人は悲惨な状況に陥ることもしばしばみます。
なので、自分の経験談から、若いうちほど「がん保険」だけは加入することをお勧めします。
 
また、30代を越えたら健康診断はこまめに受けて下さい。
出世するエグゼクティブは30代より健康管理をしっかり出来ています。
 
逆に30代になっても一度も健康診断を受けたことがない人は「リーチ」です。
健康に対して意識が薄すぎます。
 
がんになったら再就職は困難だし、新たな保険にも加入できません。
 
経営者にとってみたら、健康な人を雇いたいと思うのは必至です。
 
ということで、
30代からの健康術として
①早いうちに「がん保険」に加入する
②30を越えたら、大げさでなくていいから検診を定期的に受け、健康意識を高める
 
以上が大事です。

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